KCMG · 2026 SUPER FORMULA 第4戦/第5戦 鈴鹿大会レースレポート

レースを前に、ピットレーンに並ぶKCMGのマシン/鈴鹿サーキット
悪天候により決勝レースがキャンセルとなった前戦から約1ヶ月。「今度こそファンの皆さんに素晴らしいレースを見せたい」という強い思いを胸に、KCMGは鈴鹿へと乗り込んだ。近年、この5月の時期に鈴鹿でスーパーフォーミュラが開催されたことはなく、2月末の公式テスト時とは季節もコンディションも異なる中で、非常にチャレンジングな一戦となった。
今大会、9号車のドライバーには前戦までのパフォーマンスやチームとの連携面に加え、限られた準備期間や鈴鹿サーキットの特性などを総合的に判断し、引き続き野中誠太の起用を決定。不変のドライバーラインアップで上位進出を狙ったが、初夏の陽気と変化する天候に翻弄され、チームにとっては大きな試練の2連戦となった。

今大会は2レース制のため、金曜日に60分間の専有走行が2本設けられ、チームは「5月の鈴鹿」という未知のコンディションにマシンを合わせ込むべく、精力的にテストメニューを進めていた。だが午後のセッション中に野中が1コーナーの飛び込みでスピンを喫し、リヤからタイヤバリアにヒットするクラッシュが発生。メカニックはすぐさま修復作業に取り掛かり、野中は専有走行後の組分け走行へ出走することができた。
蒸し暑かった前日から一転、肌寒い曇り空となった土曜日。9時15分、気温20度・路面温度22度、メインストレートには強い向かい風が吹くコンディションで予選Q1A組がスタート。#8 山下健太はニュータイヤに履き替えて計測3周目にアタックを開始したが、車高がまったく合わせ切れていない状況に苦しみ、8番手(1’38.565)でQ1敗退となった。
5分間のインターバルを経て9時30分にB組がスタート。#9 野中誠太もニュータイヤに履き替え、計測2周目にアタックに入ったがタイムは思うように伸びず、9番手(1’38.899)に留まった。第4戦のスターティンググリッドは、山下が15番手、野中が18番手となった。
| ドライバー | セッション | 順位 | タイム |
|---|---|---|---|
| #8 山下 健太 | Q1A組 | 8位 | 1’38.565 |
| #9 野中 誠太 | Q1B組 | 9位 | 1’38.899 |
14時45分、気温20度・路面温度24度というコンディションでレーススタート。15番手スタートの山下はスタートでポジションを2つ上げたものの、その後2台にかわされ、15番手をキープしてオープニングラップを終えた。一方、18番手スタートの野中は3台の先行を許してしまい、20番手でオープニングラップを終えることとなった。
15番手走行中の山下は、3周目までに3台にかわされたが、4周目の1コーナーで#36 坪井選手、5周目のシケインで#4 笹原選手を、OTS(オーバーテイク・システム)を使いながら鮮やかにオーバーテイク。16番手までポジションを上げていく。8周終了でタイヤ交換ウインドウが開くと、チームはミニマムのタイミングで山下をピットに呼び戻したが、コース復帰時に僅かなロスがあり21番手で復帰。その後13周目に山下がマシンの異変を察知し、14周終了で急遽2度目のピットイン。フロアに穴が空いていることが判明、走行継続不可能と判断され、ここで無念のリタイアとなった。
20番手を走行する野中も意地の走りを見せ、2周目の130Rで#97 スタナック選手、9周目のバックストレートで笹原選手をオーバーテイク。ステイアウト作戦を選択した野中は他車のピットインのタイミングもあり、12番手までポジションを上げていた。だが、18周目の130Rに差し掛かったところで突然バランスを崩してスピン、フロントからアウト側のスポンジバリアに突っ込んでしまった。原因は現在究明中だが、何らかの要因によりリヤウイングが脱落したことによるもの。野中の無事はすぐに無線で確認され、左足の痛みも当日中の精密検査で異常なしと確認されている。
この結果、第4戦は2台揃ってリタイアという、チームにとって極めて悔しい結末となった。
迎えた日曜日、前日のダブルリタイアの悔しさを払拭すべく、チームは第5戦に臨んだ。特に大クラッシュを喫した9号車の修復は、メカニックの懸命な作業によって午前1時30分まで続けられ、無事予選に間に合わせることができた。
10時25分、気温24度・路面温度33度、弱い向かい風が吹くコンディションで予選Q1A組がスタート。山下は計測3周目にアタックを開始。前日よりも若干フィーリングはよくなっていたものの、依然としてセッティングの合わせ込みができておらず、Q2進出ラインへわずか0.006秒届かない7番手(1’38.270)でQ1敗退となった。
B組では、夜を徹してマシンを修復した影響でクルマの感触が変化しており、ぶっつけ本番の予選中にアジャストすることは難しく、野中は11番手タイム(1’39.292)をマーク。しかしその後に走路外走行の判定が下されベストタイムは抹消となり、セカンドタイムの1’47.491が採用されることとなった。第5戦のスターティンググリッドは、山下が14番手、野中が23番手となった。
| ドライバー | セッション | 順位 | タイム |
|---|---|---|---|
| #8 山下 健太 | Q1A組 | 7位 | 1’38.270 |
| #9 野中 誠太 | Q1B組 | DNQ | 1’47.491 ※ベストタイム抹消 |
14時45分、気温25度・路面温度40度、爽やかな五月晴れが広がる中、スタートが切られた。14番手スタートの山下は、スタートで2台の先行を許したものの、シケイン手前で#16 野尻選手をオーバーテイク。続いて、シケインで接触した#12 小出選手と#19 オサリバン選手を冷静にかわして13番手でオープニングラップを終えた。23番手スタートの野中もコントロールライン通過直後にオサリバン選手と#39 大湯選手をオーバーテイクし、21番手に浮上した。
オープニングラップのシケインで複数台が絡むアクシデントが発生、ホームストレートまで破片が散乱したためセーフティカー(SC)が導入される。5周目のリスタート後はしばらく順位変動がないままレースは進んでいき、他車のピットインで9番手まで順位を上げていた山下は、16周終了でピットイン、21番手で復帰。11番手走行中の野中も21周終了でタイヤ交換を行い、21番手でコースに戻った。
全車のタイヤ交換が完了したのは29周終了のタイミング。17番手につけていた山下は、ヘアピンカーブの手前で小出選手をパスし16番手にポジションを上げた。しかし終始スピード不足に悩まされ、苦しい走行を強いられた山下はそのまま16位でチェッカーを受けた。19番手の野中も最後の最後まで諦めない走りを見せたが順位を上げることはできず、19位のままレースを終えた。

第4戦 決勝
| Pos | No | ドライバー | 備考 |
|---|---|---|---|
| DNF | #8 | 山下 健太(Kenta Yamashita) | フロア損傷のためリタイア(14周終了時) |
| DNF | #9 | 野中 誠太(Seita Nonaka) | リヤウイング脱落・130Rでクラッシュ(18周目) |
第5戦 決勝
| Pos | No | ドライバー | 備考 |
|---|---|---|---|
| 16 | #8 | 山下 健太(Kenta Yamashita) | スピード不足に苦しむ展開 |
| 19 | #9 | 野中 誠太(Seita Nonaka) | 最後まで諦めない走りも順位上げられず |
第4戦の決勝はクラッシュしてしまい、マシンが回転している時は自分がどこにいるかわからない状態だったのですが、130Rの内側にリヤウイングが落ちていました。第5戦に向けては、メカニックの皆さんにクルマを直してもらう段階からセットアップを変更していきました。
ただ、ぶっつけ本番の中でマシンのフィーリングが変わってしまったこともあり、最初は思うように走れない感じでした。それでも、今回はクルマのコンセプトをガラリと大きく変えていったおかげで、前日のめちゃくちゃ悪かった状態からは少し良くなりました。
第4戦はバトルするところにすらいなかったので、第5戦でしっかりレースができて、次に向けたステップが踏めたのかなと思います。方向性としては間違いなくこっち(のセットアップ)だなと思いますし、ようやく目指すべきところに辿りつきました。
今週末は散々で、我々にとってあるべきレースウイークではありませんでした。だからと言って、現実と向き合うことから逃げるわけではなく、何がいけないのか、何をどうしたらいいのか、ひとつひとつ解決していかないといけないと思っています。
今年は良いドライバーがいる中で、急遽ドライバーが変更になるなど、本当に色々なことが起きました。ピットの位置も(昨年のチームランキング順で)良い位置にいながら、5戦を終えてまだ4点しか取れておりません。
次の富士での公式テスト(6月30日〜7月1日)では、必ず光を見つけていきたいです。決して真っ暗なわけではありません。その光の方向を、現在あるリソースでやっていくのか、今いる人間でやっていくのか、あるいは新しいものを取り入れていくのか。時間もない中で、早急に探っていかなければいけないと思っています。
富士スピードウェイ[静岡県小山町]/2026年7月17日(金)〜19日(日)
次戦は富士スピードウェイを舞台に、オートポリスの代替戦を含む3連戦に挑みます。それに先立つ6月30日〜7月1日には公式テスト(富士)も予定されており、チームは今大会で突きつけられた課題を徹底的に洗い出し、必ずや立て直しの光を見つけ出します。この悔しさを糧に、チーム一丸となって次戦富士で巻き返しを図ります。
ファンの皆様の温かい応援をよろしくお願いいたします。
第4戦の決勝は少し状態が良く、坪井選手を抜くこともできていたのですが、第5戦の予選では自分のミスもありました。決勝はクルマが遅すぎて、車高も狙ったところで走れていない状態なので、ここはちゃんと考え直して、一からやり直さないといけないと思うところまで来ています。
ただ、クルマが持っている本来のポテンシャルは良いと思っているので、次に向けてもう少し踏み込んだ改善をしたいです。