土木工事の現場で、「せっかく3Dで計測しても、結局納品は従来の図面」「3Dデータは参考資料扱いで、二重管理が当たり前」といったお声を聞くことがあります。
現場の効率化やDXが叫ばれる一方で、「計測は楽になったのに業務は減らない」という課題に対しての愛媛県土木部様のお取り組み事例をご紹介いたします。
2025年10月に、愛媛県土木部様より「ICT活用工事実施要領(最新版)」が改訂・公表されました。
本要領では、公共工事において、起工測量から施工管理、最終的な成果物の納品に至るまで、3次元データの活用を「標準的な業務プロセス」として位置付け、3次元データ(3Dスキャナー・LiDARセンサー等で取得した点群データを含む)を、正式な成果物として活用・電子納品できることが明確に示されています。
2重管理を求めない形で、従来の図面中心の運用からの転換が公式に発表されたことにより、これまで「3Dは便利だが納品には使いにくい」「結局、従来手法との二重管理が必要」とされてきた3Dスキャンデータの利便性が現場の省力化に直結する未来が見えてきました。
↓↓↓愛媛県ICT要領全文はこちら↓↓↓
https://www.pref.ehime.jp/page/8140.html
愛媛県のICT活用工事では、以下の流れでICT施工を行うことが基本とされています。
このうちScanatは、「3次元起工測量」「3次元出来形管理」「3次元データ納品」といった工程での活用が可能で、出来形管理・検査・納品まで完結できる可能性が広がりました。
デバイスで取得した点群データや3Dモデルも、条件を満たせば工事完成図書として電子納品の対象となります。
①面で管理する時代にフィット
新しいICT要領では、従来の「断面・点」での管理ではなく、点密度を確保した”面的な出来形管理”や、ヒートマップによる良否判定が標準的な考え方として整理されました。
Scanatは、現場全体を面で捉える3Dスキャンが得意なため、この管理手法と非常に高い親和性があります。
管理資料作成の手間削減、検査対応の省力化、現場の見える化による説明力向上など、多くのメリットが期待できます。
②小規模工事・修繕工でも3Dが公式に使える
本要領においては、ICT機器を使った測量が小規模な工事を含むかたちで拡大されました。
高価なレーザースキャナーやUAVを使用しなくても、ICT土工(1,000㎥未満)・ICT舗装工(修繕工)といった工種で、モバイル端末や地上写真測量による出来形管理が正式に認められました。
これにより、「高額な機材がないから3D計測は無理」というハードルが下がり、Scanatのような手軽な3Dスキャン技術でも、納品まで見据えた活用が可能になります。
③3次元データ作成が”費用として認められる”ケースも
受注者希望型のICT活用工事では、「3次元起工測量」「3次元設計データ作成(修正含む)」にかかる費用が、設計変更の対象として計上できることも明記されています。
これにより、
・3Dデータ作成が「持ち出し作業」にならない
・Scanat導入・活用のハードルが下がる
といった効果も期待できます。
以上のように、Scanatで撮影した3Dデータは、
・高額な専用機材の代替として
・小規模工事・修繕工でも活用可能
・二重管理を回避
・出来形管理から電子納品までを支える技術
として、ICT活用工事における実用的な選択肢になりつつあります。
「計測して終わり」ではなく「納品まで使える3D」となるScanat。
これからの建設会社に求められるであろう、モバイルLiDARを使った業務効率化への提案力の強い味方として、お客様からは、「提案型のICT活用工事として採用されれば、工事成績評定点の加点も見込め、次期工事の受注確率向上につながる」との期待も寄せられています。
愛媛県土木部様の事例は、国土交通省の意向が反映されており、今後全国に広がっていくものと想定しております。
いち早く本モデルを事例としてノウハウを蓄積し、競合優位性を備えたい企業様をサポートしてまいります。