全日本スーパーフォーミュラ選手権との前戦から約1か月半、インタープロトシリーズとの併催となった開幕戦からは約4か月のインターバルを経て、KYOJO CUP 2026シーズン第3戦が富士スピードウェイで開催された。週末を通して天候は不安定で、直前までコンディションの予測が難しい大会となった。nat team KCMGは走行開始からマシントラブルに見舞われる場面もあったが、チーム一丸となって問題の解決に取り組み、チャンピオンシップ争いにおいても重要なシーズン中盤戦に臨んだ。
前夜の雨の影響でコース上に濡れた箇所が残る難しいコンディションとなった予選。開始直前には全車ドライタイヤの装着が義務づけられた。佐々木は序盤からハイペースで走行し、計測1周目からトップタイム。3周目から6周目まで毎周自己ベストを更新し、安定した走りで2番手タイムを連発した。翁長は慎重にタイヤを温めながらアタックのタイミングをうかがい、計測7周目に5番手へ浮上。セッション終了間際のラストアタックでトップとわずか0.4秒差の1分46秒535を記録し4番手。佐々木も翁長から0.1秒差の5番手で予選を終えた。変化し続ける難しいコンディションのなか、翁長・佐々木ともにトップを十分に狙える位置を確保した。
予選後に行われたSprintは、路面がほぼ乾いたものの一部にウェットパッチが残るコンディション。右側グリッドに並ぶ翁長とチコンテには難しい状況となった。5番手スタートの佐々木は好スタートを決め、オープニングラップだけで2ポジションを上げて3番手へ浮上。前を追う展開を見せたが、斎藤選手の猛追を受けて最終的に5位でフィニッシュ。一方、ウェットパッチ上でのスタートを余儀なくされた翁長は、スタート手順違反によるペナルティとエンジンストールが重なり大きくポジションを落とした。懸命に追い上げ10番手までポジションを回復したが、ペナルティにより最終結果は12位に。チームメイトのチコンテは8番手から着実に追い上げ4位フィニッシュ。ファイナルラップにはファステストラップを記録した。
Sprintから一夜明けた決勝日は朝から本降りの雨。ヘビーウェットコンディションのなか、レースはセーフティカー先導でスタートした。3周目にセーフティカーのライトが消え、12周のレースが本格的に再開。翁長は再開直後のGRコーナーで金本選手をパスし、5周目にはBurton選手もオーバーテイクして10番手へ浮上。しかし10周目に最終コーナーでコースアウトし、その後11周目の100Rで突如マシンに異変。コカ・コーラコーナー立ち上がりでマシンを止めリタイアとなった。佐々木は激しい雨のなかで思うようにペースが上がらず8位でフィニッシュ。チームメイトのチコンテは序盤こそ苦戦したものの周回を重ねるごとにペースアップ。10周目にはSprintに続きファステストラップを記録し、最後まで上位を争い4位でフィニッシュした。
Final優勝:#86 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL)
nat team KCMG 総合結果
| No | Driver | 予選 | Sprint | Final |
|---|---|---|---|---|
| #7 | Miki Onaga | 4位 | 12位※5秒ペナルティ(スタート手順違反) | 19位(リタイア扱い) |
| #8 | Aisa Sasaki | 5位 | 5位 | 8位 |
| #9 | ピンコウスキ ケルシー | 17位 | 18位 | 16位 |
| #10 | Joanne Chikonte | 8位 | 4位 🏁 | 4位 🏁 |
🏁 ファステストラップ記録(Sprint・Final 2レース連続)
ドライバーズ選手権 — Rd.3終了時点
| Rank | Driver | Team | Key Points |
|---|---|---|---|
| 1位 | Rio Tomishita | OPTIMUS CERUMO·INGING | 67 |
| 2位 | Ami Saito | SCS TOM’S | 65 |
| 3位 | Joanne Chikonte ★ | nat Team KCMG | 49 |
| 4位 | 下野 璃央 | Dr.Dry with Team IMPUL | 41 |
★ nat team KCMG / チコンテが選手権3位をキープ。2レース連続ファステストラップで速さを証明した週末となった。
Driver Comments
今回のレースウィークでは様々なコンディションで走ることができ、新たな発見や今までできなかったことができるようになるなど、多くのことを吸収できました。その一方で、まだ自分に足りない部分も多く、特に「再現性」と「判断力」が今回の課題だったと感じています。フリー走行の予選シミュレーションでは一周をまとめきれず、予選でも自分でタイヤを冷やしてしまうなど、細かな部分の積み重ねがレースの結果に表れたと思います。レースの展開の作り方も含め、もう一段階レベルを上げて次戦に挑みたいです。ZENKAI RACINGさんにサポートいただいているシミュレーターも活用し、自分の走りやライバルの走り、レース中のメンタル面もしっかり分析しながら、今回見つかった課題を克服していきます。今回もサポート、協賛いただいた皆様、チームの皆様、ありがとうございました。応援してくださる皆様に表彰台、そして優勝をお見せできるよう、これからも頑張ります。引き続き応援よろしくお願いいたします。

今回の第3戦は、自分自身にとって非常に悔しく、多くのことを考える大会となりました。練習走行ではトップタイム、予選でも第2セクターで全体ベストを記録するなど、純粋なスピードには手応えを感じていました。その一方で、スプリントレースでは自分自身のミスによって大きくポジションを落とし、チャンピオンシップを争う可能性も失う結果となりました。それでも、ミスをした後にどう次へ向かうのかもドライバーとして必要な強さだと思います。Finalでは気持ちを切り替え、強い雨で視界がほとんどない中でも一台ずつオーバーテイクすることができました。エンジントラブルによるリタイアとなりましたが、もう一度自分から攻めるレースができたことは今後につながる経験になったと思います。今回の経験を無駄にせず、もう一度初心に戻り、「どうすればもっと速く走れるのか」を純粋に追求していきます。最後に、今大会に向けてマシンを準備してくださったチームの皆様、日頃から支えてくださるスポンサーの皆様、そして応援してくださるファンの皆様に心より感謝申し上げます。これからも前を向いて挑戦していきますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。